社団法人日本耳鼻咽喉科学会東京都地方部会例会
第8回臨床学習セミナー


]ご注意 
通常事前に配布されていたテキストは作成いたしません。
今回より当日に参考資料をお配り致します。
参加ご希望の先生は同封いたしました振替用紙にて、お 申込み下さい。なお、当日会場に於いても受付いたします。

*ご出席の皆様へ
 学術集会参加票はご署名の際に手渡し提出となります。受付は終了 1 時間前までとさせていただきます。


挨  拶(13:55−14:00) 加我 君孝(東大耳鼻科)

臨床学習セミナー

  1. 汎用コンピュータソフトを用いた臨床デジタルデータの活用例(14:00−14:45)
    司会:伊藤 健(東大耳鼻科)
    東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 石尾 健一郎
     近年、パーソナルコンピュータ(PC)の普及に伴い、多くの学会発表が PC を用いて行なわれるようになり、また電子カルテの導入により診療録のデジタル化も進んでいる。手術においても DV テープや DVD を利用し、手技や操作をデジタルデータとして記録、保存できる。
     臨床で得られる画像や動画のデジタルデータの利用方法は多種多様で、各人各様、アプリケーションの数だけ整理法や保存方法があるが、今回は、汎用コンピュータソフトのみを用い一般診療や手術で得られたデジタルデータをどのように活用できるのか、プレゼンテーションスライド、手術報告書を例に挙げ紹介する。日常診療や教育における効果、利点、欠点についても言及する。
  2. 診療所での電子カルテの作り方と利用の仕方(14:45−15:30)
    司会:山岨 達也(東大耳鼻科)
    荒井耳鼻咽喉科医院 荒井 和夫
     当院で電子カルテを導入したのは平成18年 4 月 1 日からで同年12月末まで 9 ヶ月を経過しました。導入の動機はレセコンの買い換えがきっかけでありますが、機種の選択、準備には約 6 ヶ月を要しました。検討のポイントは永続性があることと、操作性の簡便さ、さらに経済性でありました。いくつかの電子カルテを体験してみましたが、今のところ完璧な電子カルテは見あたらず、完璧さを求めると経済的に考えて開業医では無理でありました。結局 NTT 東日本製の電子カルテ FC21「FutureClinic 21」とレセコンとして日本医師会の ORCA の組合せを採用しまた。このシステムの特徴はレセコンソフトがオープンソースのため、既存のメーカー製よりも大変廉価であることと、対応する電子カルテが複数あることでありました。中でも FC21は他の電子カルテと比べコストが低く操作性は紙カルテと同様に簡便でありました。ただし紙カルテと同じと云うことはそれ以上の機能を持たせることには期待が薄く、聴力検査、チンパノメトリーなどの入力はスキャナーの利用でアナログ処理となります。他の画像処理ソフトなどとのリンクも可能ですが、現状ではスキャナーを使用し、血液検査は FD よりの入力というパソコンの入力装置を用いて、紙での保存は全く無くして電子カルテだけでの運用が可能となっております。今回は以上のシステムにつき利点、欠点を具体的に説明させていただき、電子カルテの実際的運用についてお話いたします。

――― 休   憩 (15:30−15:45)―――

  1. 病診連携のための IT の活用方法(15:45−16:30) 司会:朝蔭 孝宏(東大耳鼻科)
    都立府中病院耳鼻咽喉科 阿部 和也
  2. Teaching ENT through Multimedia(16:30−17:15) 司会:加我 君孝(東大耳鼻科)
    香港中文大学・医学院・耳鼻咽喉科 C.A. Hasselt
     IT の耳鼻咽喉科領域への応用にはわれわれの大学では臨床・研究・教育を早くから取り組み、耳鼻咽喉科のコレギウムの会で発表してきました。私の発表は東京大学の加我君孝教授が興味を抱いて下さったことがきっかけで、今回発表する機会を得ました。今回は IT を教材から試験まで広い意味での耳鼻咽喉科領域でどのように生かしているか、香港での経験をご紹介します。