社団法人日本耳鼻咽喉科学会東京都地方部会例会
第3回臨床学習セミナー



テキスト、参加ご希望の先生は前回同封いたしました振替用紙(第3回)にて、お申込み下さい、 約1週間前にテキストをお送り申し上げます。なお、当日会場に於いても受け付けます。
*ご出席の皆様へ
学術集会参加票は、ご署名の折に手渡し提出となります。受付は終了1時間前迄とさせて いただきます。

プログラム


教育講演(14:00〜16:00)

  1. 『耳員咽喉科外来診療で必要な感染対策』 (14:00〜15:00)

    座長: 榎本 冬樹(順天堂大学)

    堀 賢(順天堂大学大学院感染制御科)

    耳鼻咽喉科領域では、感染症診療が大きなウエイトを占めている。ほとんどの場合には抗菌薬を投与するが、近年ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やベータラクタマーゼ非産生インフルエンザ桿菌(BLNAR)の増加に伴い治療に難渋するようになった。耐性菌は、抗菌薬の適正使用により蔓延をコントロールできるが、喉頭ファイパーやステンレス製医療機器など診療を通して感染が拡大することがないように、感染制御の観点から日常診療を見直すことも重要である。

  2. 『FDG-PETの腫瘍診断における有用性―頭頸部領域を中心に―』 (15:00〜16:00)

    座長:中澤 詠子(順天堂大学浦安病院)

    岡 卓志(横浜市立大学医学部放射線科)

    FDG-PETは保険適応となりほぼ3年であるが、腫瘍診断における有用性は高まる一方である。特に頭頸部領域における有用性は非常に高いが、弱点を知らずしてのFDG-PETの利用はその診断能力を過信することにもつながり、適応および診断には十分注意する必要がある、今回FDG-PETの原理及び基本的な知識から、現行最新のカメラ等の紹介と症例提示まで、簡単にまとめさせていただくものである。

休憩

臨床学習セミナー

    座長:池田 勝久(順天堂大学)

  1. 『医事問題安全管理』 (16:10〜16:50)

    古屋 英彦(品川区)

    最近は毎日のように医療事故の報道がなされています。高度先進医療の発達と共にそれに対する患者側の期待や権利意識の変化によって、医事紛争も増加の一途をたどっています。先進国共通の悩みの基ですが、To err is human(人は問違えるもの)であってはなりません。いかにリスクマネージメントを成して医事紛争を予防するか、そして医療の根源であるペイシェント・ファーストの医療推進の途を述べます。事例についても言及します。

  2. 『外来診療における嚥下陣害の診断』 (16:50〜17:30)

    田山 二朗(国立国際医療センター)

    高齢化社会を背景に、嚥下性肺炎も含め嚥下障害への対応が問題化しつつある。これは嚥下器官を扱う耳鼻咽喉科医にとって、今後更に重要性を増していく課題といえる。しかし、嚥下障害を正確に評価し、適切な対策を選択する事は困難な場合も多い。まして嚥下造影などの検査が施行できない環境においては、嚥下瞳害の診療は敬遠されがちである。今回は日常外来診療において嚥下障害をどのように診断し、扱って行くかについて述べる。

  3. 『聴覚の高次脳機能計測』 (17:30〜18:10)

    中川 雅文(創進会みつわ台総合病院)

    脳科学の進歩により脳波、脳・図、光トポグラフィー、機能的MRI、PETなどをもちいて非侵襲的に脳機能を計測することが可能になった。ヒトの聴覚に関する研究も大きく前進している。しかし、高汳ョ覚の研究論文を個別に詳読してもその専門性から理解しがたい点が少なくない。本講演では、脳科学や聴覚生理学の研究に関心をもつ一般医家およぴ研究を志す若手医師を対象に、最近の知見を横断的統合的に紹介することで、聴覚における脳科学の現在とその未来について基礎、臨床の面から総説する。